新刊を語る!
Youtube のコンテンツは現在の Cookie 設定では表示されません。"コンテンツを見る"を選択し、Youtube の Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Youtube のプライバシーポリシーをご確認ください。Cookie の利用は、Cookie 設定からいつでも変更できます.
ほしのたね編集スタッフが
新刊vol.17の読みどころをアツく語ります。
*いずれも音声あります!!
Youtube のコンテンツは現在の Cookie 設定では表示されません。"コンテンツを見る"を選択し、Youtube の Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Youtube のプライバシーポリシーをご確認ください。Cookie の利用は、Cookie 設定からいつでも変更できます.
パート1
Youtube のコンテンツは現在の Cookie 設定では表示されません。"コンテンツを見る"を選択し、Youtube の Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Youtube のプライバシーポリシーをご確認ください。Cookie の利用は、Cookie 設定からいつでも変更できます.
パート2
Youtube のコンテンツは現在の Cookie 設定では表示されません。"コンテンツを見る"を選択し、Youtube の Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Youtube のプライバシーポリシーをご確認ください。Cookie の利用は、Cookie 設定からいつでも変更できます.
パート3
Youtube のコンテンツは現在の Cookie 設定では表示されません。"コンテンツを見る"を選択し、Youtube の Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Youtube のプライバシーポリシーをご確認ください。Cookie の利用は、Cookie 設定からいつでも変更できます.
パート4
語る人びと
灰音ハル
【作品傾向】日常の非日常系。哲学とも言う。
【身長】161cm
【髪型】美容院には半年に一度行きます。
【服装】自分で服あんま買わない。
【趣味・特技】酒と煙草。タイピングクソ早侍。
【座右の銘】The world is full of shit.
【一言】拙者、昭和のオタク故。
【ブログ】灰音ハルのどうでもいい
https://hallostar0406.jimdofree.com
河合舟
【作品傾向】内心モヤモヤ系主人公
【身長】159cm
【髪型】そろそろ切りに行きたい長さ
【服装】持ってるTシャツが軒並み黄色い!
【趣味・特技】食べること、粉もんと煮込みハンバーグは自信を持ってお届けできます
【座右の銘】無駄な時間はあっても無駄な経験はない
【一言】文豪の缶詰状態を体験したいようなしたくないような…
浅井
【作品傾向】すこしふしぎのSF、エセ純文学
【身長】162cm
【髪型】最近伸びるのが早い
【服装】気付いたらストライプとロングスカート買ってる
【趣味・特技】料理して食べること、誰かに贈り物を選ぶこと、特技は寝ること、こんにゃく作り、上毛かるた
【座右の銘】人間万事塞翁が馬
【一言】『蒲団』で有名な田山花袋、群馬の子どもは彼の名前と顔を小学一年生で憶えます。「上毛かるた ほ」でググってください。
横井けい
【作品傾向】人外登場率多め
【身長】157(去年伸びた)
【髪型】いつかアフロにしたい
【服装】PUFFYみたいなのが好き
【趣味・特技】水泳とキャンプ、野草観察(超絶素人)ピアノ。特技は祭りの売り子!フランク焼きそばヨーヨー射的なんでもござれ!でも綿飴作りは苦手
【座右の銘】筋肉は一生の相棒
【一言】文豪について勉強したのは実は大学が初めてです。未だに芥川と太宰がごっちゃになります。
新刊を語る!テキスト版
灰音 内容としては、まぁ新刊の内容を編集班が語るんですが、新刊なのでネタバレにならないギリギリのラインで、作品を持った担当者が語っていく。
浅井 気をつけなきゃ…(プレッシャー)。
横井 私自身がネタバレバッチ来いの民なのでチキンレース感ありますね。
灰音 それぞれの担当作をプレゼンテーションしていただいて、同じ編集班である僕達が突っ込んだり突っ込まなかったりという……。紹介は目次順で、自分の作品のときは席を外す感じで。じゃあ、いきましょうか。
白昼夢 空師どれみ
灰音 まずは空師どれみさんの「白昼夢」を紹介させていただきます! この作品の一番の魅力、それはですね、特集「文豪」にふさわしい作品、コレですね。
浅井 その心は?
灰音 作品の冒頭文が「こんな夢を見た。」なんですが。
横井 特集ど真ん中のゴリゴリ文豪作品……!
浅井 『夢十夜』ですね…!
灰音 そうです! 話の内容としては、恐らく小説家であろう男が見た白昼夢なのですが、そこには文豪作品、特に夏目漱石の匂いがかなり残されています。小説家が白昼夢の中で見る夢の内容に猫がでてきます。さて、人間社会を俯瞰する猫といえば? というように……
横井 親譲りの性格で子どもの頃から損ばかりしていたり?
浅井 九州からの列車で知らない女性と出会ったり?
灰音 この作品の良いところは、書き手である自分があまり表現されてないことなんですよ。こんな夢を見た。その冒頭から、あとは全てユメですし、正直主人公がどういう人間なのかという、まぁ所謂社会的な立場?というのも言及されていません。そこで、この作品の魅力を3つにまとめました。
1.創作者に刺さるストーリー
2.匂い立つような文章表現
3.特集「文豪」にふさわしい内容
先ほど冒頭と申し上げた後に、こう続くわけです。 「自分の目が見たものならば、自分が書き留める他ないだろう。」 創作者に凄い刺さるんですよね。別に自分が書かなくても良いだろう、と思って筆を置いたこと、誰でもあると思います。でも、もし他人の目を通して、他の世界が見られるとしたら? その本来の持ち主に書いて欲しいと願うのか。それとも、自分が書くのか。
浅井 わたしは自分で書きたいと思いますし、その観点を切り取ったところにこの時点ですごく刺さってますし、なんならぐぬぬと思いすらします。
灰音 非常に良い作品だと僕は思います。
浅井 書くのも読むのも書き手ならではで、それもまた「特集・文豪」って感じですね。
灰音 なのでございます。質問はありますか?
横井 はい! 「2.匂い立つような文章表現 」とありましたが、ハル先輩のお気に入りの表現をおしえてください!
灰音 良い質問ですね。ただこれに関しては全体的にそうなんですが、主人公が鬱屈していて、その中でパッと閃く瞬間があるわけです。好きなシーンは「老猫に声なき声で呼びかけてみた。どうだいお前、私の代わりに筆を執ってみないかい。こんな景色はそうそう誰もが見られるものじゃないだろう。お前の愉快な珍道中、客が私だけでは勿体ない。」です。人間の弱さと諦めと鬱屈が混じっていて、とても良いシーンだと思います。
もじまも! 灰音ハル
浅井 灰音ハルさんの『もじまも!』をご紹介したいと思います〜。
横井 わーーー!!(拍手
浅井 どんなお話かと言いますと、文豪異能バトルものです!(内容紹介より)
横井 文豪異能バトル……ごくり。
浅井 あらすじとしては、バイトに励むふつうの大学生、中原中也くんがいつも通りバイト先の喫茶店「ばるこにぃ」へ行くと、店から飛び出してきたゴスロリツインテの少女と遭遇します!
横井 初っぱなからアクセル全開ですね!?
河合 もうこれ始まって五秒で引き込まれちゃう展開ですね。
浅井 少女は、訳あってこの世界から存在を消されてしまった文豪を生き返らせる使命を負った文字守(もじまも)一族の人間だったのです。
横井 あー!だから「もじまも!」! ずっと「まじまも」だと思ってたんですよね……まじかるナントカの傍系だと思ってました……。
浅井 そして中原くんは、かの詩人中原中也と同じ名前を持つことを理由に、彼女から「文能」という戦う力を与えられます。 少女ことリカに引きずられるがままに、中原は異世界にある夢幻図書館へと送られ、とらわれの文豪を救うために戦うことになるのです…!!!といったお話です。
横井 テンション高い系異能バトルwithラブコメの波動を受け取りました……。
浅井 ラブコメかは現段階ではまだわからない感じです! でも期待できそうな感じを勝手に受けました!
河合 ちなみに異世界ではどんな文豪が出てくるんですか…?(ワクワク)
浅井 今回は異世界で出会う文豪はひとりしかいないんですが、これは言っちゃってもいいのかな…?ネタバレチェック…?
横井 ネタバレチェックひっかかったら後で消しておきます!笑 ので是非お願いいたします! 個人的に「文能」がどんなものかもめちゃくちゃ気になります……!
浅井 では遠慮なく!笑
河合 そう!文能、これ作品の肝になるところですよね…気になる木…。
浅井 異世界で出てくるのは中島敦です。「文能」というのが、何か本を手に取って自分の名前を唱えると「何かが起きる」というもので。このアバウトさはリカちゃんの説明なんですが笑。中原くんの場合、手に取った本がなんと……。
横井 (わくわく)
浅井 生の鯖になります。
横井 さば……?
河合 !?
横井 鯖。
浅井 鯖です。
横井 本が鯖に……。
河合 どういうことだってばよ。
浅井 いやこれ、中原中也の逸話を知ってるひとにはニヤッとポイントなんですよね!
横井 ググったら暴言の類いが面白い的なページに行き着きました笑
浅井 中原中也が太宰治に吐いた暴言の中に「青鯖が空に浮かんだような顔しやがって」っていうのがあって。 中原くんは鯖と一緒にどうやってとらわれの文豪を救い出すのかーー!!
横井 そうか鯖で戦わなきゃいけないのか……鯖で戦う……?
浅井 ほんと鯖との友情とか、バイト仲間とかとらわれの文豪とか、今後の展開がとても気になる作品なんです…。
河合 一回目は知識なしで読んで、あとで復習してから読み直して「あ~~!なるほど!」って言いたいタイプなのでめちゃくちゃ気になります。鯖との友情…!?
横井 ところで中原夫妻はどうして自分の子どもに文豪の名前をつけようとしたのかめちゃめちゃ気になって夜しか眠れません……!
浅井 シリーズ化も有りうるとのことなのでここで続編希望しておきます。 あ、今回とらわれの文豪は中島敦くんなんですが、中原くんと同じ境遇の宮沢賢治くんとか芥川龍之介さんも名前が登場したりしてます!ワクワク!
横井 お名前がみんな同姓同名だ!
河合 宮沢賢治!
浅井 推し文豪が出てくるかと思うとテンション上がっちゃいますよね…! ちなみに、テンション高いお話かと思いきや、ちょっと深読みしちゃうところもあったり、読み応え抜群だと思います。
河合 好きなシーンは?
浅井 好きなシーンですかー! ネタバレになっちゃうから詳しいことは言えないんですが、異世界から帰ってきたあとのラストシーンがわたしは大好きです!新キャラ(意味深)がめちゃくちゃ好き…。あとはやっぱり鯖とのシーンですね。すべてが面白い。
河合 もう鯖が気になって仕方ないです…。
THE・太宰治 長尾早苗
河合 次は長尾早苗さんの「THE・太宰治」を紹介させていただきます。皆さんはご存じだと思うのですが、ほしのたねでも数少ない詩を書かれる長尾さんの作品で、今回は一言でいえばまさに作品名通り「ザ!太宰!」な詩となっています。これ適当ではないのであしからず。
横井 太宰感(?)満載の空気がふんわり香って来ますが具体的にはどんな感じで「ザ!太宰!」なんですか?
河合 今までの彼女は本当に自分の言葉で紡ぐ詩だったのですが、今回なんと太宰の作品から抜粋した一文を繋げた詩になっているんですね。
浅井 おお。
横井 コラージュ!文字によるコラージュ!
浅井 作品から抜粋した言葉で詩ってすごいですね。チャレンジングだと思います。
横井 色々な作品から抜粋した言葉で内容も通すのはすごいですね……!
河合 読んで凄いなと思ったのは太宰に絞ったことなんですが、これがいろんな文豪の作品から持ってきたものだったら文体の違いにより「ちぐはぐ感」を感じるところでした。それが太宰治一人に絞ることで統一感が出て一つの作品として成立したと思っています。
浅井 確かに、太宰作品に通じる空気感っていうのがありますもんね。
河合 あとこれ本人から聞いたのですが、彼女この作品のために青空文庫で太宰の作品を全部読んでます。
横井 全部……! もしかしてひとフレーズずつすべて違う作品を……!?
河合 そうなんです、年代順に作品の一文を抜き出して詩にしているんです…。
横井 太宰作品全然よめてないので恐縮なのですが、この抜粋されたフレーズが元の作品のどんなシーンで使われているのか、それがわかれば2度以上に美味しい作品ですよね……。
河合 そうなんですよ…そこがまた素晴らしいところなんです。青空文庫にある太宰治の作品は一部版違いもありますが全部で274! そこから60行にわたって紡がれた「太宰の詩」、作品は知っていてもどんな詩なのかは読んでみないとわからない。
横井 この詩に至るまでの経緯というか、背景というか、この「THE・太宰」という詩に内包される情報がとんでもないことになる……しかもそれを読み取るのはすべて読者に委ねてますもんね……。
浅井 そのまま読んでも立派な作品、太宰を知るひとが読んだらさらに凄まじく深みのある作品になる…。
横井 (とんでもない作品の誕生に立ち会ってしまったのでは?)凝縮の一言に尽きますね……あらためて作品数を数で出されるととんでもない……。
河合 ただ言葉をトリミングして並べるのではなく、それこそ「太宰」と認識できるようなチョイスになっているのが私の好きなポイントですね。お二人もおっしゃっているように読めば読むほど味わい深い詩になっています。好きなところは?と言われるともうそれがネタバレになってしまうような気がするので、何度も読み返したくなる詩だとだけ言わせてください。
横井 タイトルがド直球だけどこれ以外あり得ない!というチョイスなのめちゃめちゃ好きです……。
浅井 ちなみに河合さんがその中でも特に好きなフレーズとかってあるんですか?
河合 「好いところが一つもみじんも無かった。」ですね、これは私が知ってる数少ない太宰作品の一文なんですが、ああ~ここ使うのね~!!ってなって嬉しかったです。
浅井 あ〜、そういう自分の知ってるフレーズ出てくると嬉しくなっちゃいますよね!
横井 わかります! 知ってるフレーズがくるとついにこにこしてしまう。
河合 オタクなので好きなものを他の人が的確に知ってくれてると嬉しくなっちゃう。
浅井 わかりみ…。
たかが世界の終わりに 月城まりあ
横井 月城まりあさんの「たかが世界の終わりに」です!
灰音 気になってた作品だー。
浅井 たかが、って言っちゃう。
横井 そこミソなんですよね……たかがって言っちゃうところ……。 山間の老舗旅館で養子として育てられた九十九雪子という女の子が主人公です。 高校卒業を控えた彼女は、地元の企業に就職することが決まっていました。大きな山も不安もないけれど、胸が踊るような期待も希望もない。安穏とした人生に満足したつもりでいたけれど、心のどこかで物足りなさも感じていました。
灰音 ふんふん。
横井 しかしそんな折、「最後の文豪」と評される、雪子ちゃん憧れの作家、竜崎竜胆が旅館に滞在に来る。外からきた「先生」に大きく心を動かされて、自分の手の届く範囲で閉じこもっていた女の子が、憧れに背中を押されてそこを飛び出していく話です。
浅井 前向きなお話の印象ですね。
灰音 何かそんな感じするよね。
浅井 それと「世界の終わりに」っていうタイトルとの絡みが気になりますね。
灰音 たかがですからねー。
横井 そうなんです、すごい前向きなお話なんです。時期が冬なんですけど、雪子ちゃんは進路も決まってるし、ずっと地元で暮らしていくんだろうなーとなんとなく思っていた高校卒業間近の話なので、とてもエモーショナリー。
浅井 エモみ。
横井 雪子ちゃんがかなり諦観の中で生きている節があって、たかが人生こんなもんだろという思想がそこかしこにでてきてしまうんですよね……。
浅井 わかる、わたしも実家が山中のど田舎だから、そういう閉じた世界に勝手に親近感みたいなの感じてしまう。
灰音 そうなの?
浅井 そうなんですよ。地元の友人も多くが地元で就職、結婚、みたいな。
灰音 今いる場所から離れるのって結構大変だよね。
浅井 たかが人生こんなもんだろ、は察せてしまうし切ない。
横井 彼女にとって「先生」こと竜崎竜胆との時間は、まるで小説の中みたいにとても心が踊ったし人生で一番輝いていた。でも、先生は執筆を終えると旅館を去ってしまう。 彼女の楽しかった時間は、先生の退場と共にフィクションの短編として綴じられて、思い出になっちゃうんですよね。そうして安穏とした日常にもどっていく。作中に「たかが世界の終わりに。私はこれほど心乱されるのか。」という一節があるんですが、ここがすごいなと思っておりました。
浅井 そこでそのフレーズ。あーすごい、光ってる。
横井 そこでタイトルもってくるかあと頭を抱えてじたばたしました。すごかったです。あと、作中でもう一つ、すごい好きな表現があって。雪子ちゃんのお気に入りスポットとして天文台の廃虚が登場するのですが、クライマックスでここを「夢の抜け殻」と表現しているのですよね……。
浅井 ふぁーーーーー素敵。
灰音 単語がエモい。
横井 錆だらけの天文台で、穴の開いた天井から月明かりに照らされた雪が降り積もってきて、そこに一人きりで立ったときに、世界の終わりってこんななのか、夢の抜け殻みたい、という旨の記述があるのですが。
灰音 あーーーーネタバレ回避ーーーーーー!
横井 とても印象的で何回も反芻していました。と言う感じです。
いつかの春へ 涼暮
灰音 涼暮さんの「いつかの春へ」です。この小説にキャッチフレーズをつけるのなら「一歩違えば危ない関係?!」です。
浅井 危ない関係…!
横井 まかりまちがってほしい感じもありますね!
灰音 舞台は明治大正(ごめん歴史わかんない)で、日本が開国して和洋折衷で混沌としていた時代です。登場人物はメインとして、2名です。1人は、小説家になりたい無職(多分)。もう1人は、その小説家を目指す無職を応援する社会人です。
横井 芸術家の卵とそのパトロンですね!
灰音 この二人は、所謂学友というやつで、学校時代に友人となり、その関係がずっと続いておるわけです。……と、思うでしょ?!
横井 ちがうんですか!
灰音 2人は所謂アイドルとファンの関係でもあり、よき学友でもあるんですよ!
河合 なるほど...。
灰音 この小説家を目指す無職は、これまた偏屈な奴でして、小説書いてるくせに、小説を褒めると怒るんですよね。
河合 あっ、そういう作家さんいるいる。
灰音 まぁそんな偏屈な奴は学生時代にも小説を書いておりまして、主人公がその小説に感銘を受けまして、奇妙な関係が続いているわけです
横井 目標が高すぎる感じでしょうか。
灰音 うーん、捻くれものというか、あまり自分の小説を評価していないというか。
横井 自己評価があんまりよろしくない感じ……。
灰音 主人公が褒めても、捻くれた反応ばかりします。でも、主人公は彼の書いた小説が大好きで、一番のファンといっても過言ではないと思いますね。この辺りは登場人物の魅力なんですが、ストーリーも凝っています。
河合 君が何と言おうとも私はファンだっていうやつですね…好きですそういう関係…。
灰音 あ、そういうのです。だから「一歩違えば危うい関係」なんです!
河合 自然と笑みがこぼれました。
灰音 ものすっごいギリギリのラインなんですよね。アイドルとファンの崇拝される側とする側の関係と、学友という対等な関係。それが丁度良い感じに合わさっているという…。
横井 あ、ほほ笑ましい感じじゃなくてヒリヒリした感じなんですね…… 。
浅井 絶妙にこう…エモい雰囲気…。
灰音 ストーリーについても言及させていただきたいのですが、開国して日本に新しい風が入り始め、世の中がちょっと混沌としている時代。そこで、主人公は伝染病が流行ってるという記事の新聞を読むわけです。多分これ、冒頭でもあったと思います。「新聞記事の見出しに書かれた、時代に旋風を巻き起こした著名作家が流行病に罹ったことを知らせる大きな文字を見て、僕はこれは荒れるだろうなと溜息を吐いた。世間も世間で荒れるだろうが、僕の場合は偏屈で気難しく、そして妙に繊細で卑屈な自分の友人のことである。」奇妙な関係性の二人と、ただ淡々と進む時代のギャップが良い作品でした。
浅井 その時代の雰囲気がすごく好きなので気になります…。
灰音 多分、浅井さんは好きだと思います。
浅井 マジですか!読もう。
河合 いやこれすごいですね、テーマと人物関係と時代背景見事にマッチしてると思うんですけど、だからこそどういう作品に仕上がっているのかとても気になります。
横井 年表に似た面白さを感じますね……事実は書かれてるけど当時の雰囲気とかはあんまり分からないやつ……こういうことが有ったのかなと想像を掻き立てられるやつ……。
灰音 ちなみに私が一番好きな台詞は主人公のこちらです。 「なにせこちとら、生まれ変わった先でもどうせ君の書く話は好きでいる自信があるからね」 文豪論についてあーだこーだ、偏屈な友人が屁理屈こねたときに言った主人公の台詞です。
浅井 うわ、好きですこのセリフ!語弊を恐れずに言えば絶妙な重さというか。
河合 アッこれ好きなやつですこの一言で分かってしまう。
横井 ひえ…。生まれ変わってもこいつは物書きをやってるんだろうなという信頼……。
灰音 あ、その発想はなかった。面白い。逆にこれ学友という関係がなかったら重過ぎるよね。
浅井 なんか、アイドルとファンのような関係でありながら、その学友の砕けた信頼の置き方と気のおけなさが…とても…いいですね…。
壊れた星を喰らう 涼風弦音
横井 涼風弦音さんの「壊れた星を喰らう」のご紹介です!
灰音 ぱちぱち!
横井 個人的に、これを私が一言で言うとすると「籠からの脱出」みたいな感じになってしまうのですが、色々な読み方が出来ると思うのですが今回は主人公くんに沿ってこうお伝えできれば!と思います。進学校の優等生、御波凪(みなみ なぎ)という男の子が主人公なのですが、彼はある日突然誘拐・監禁されてしまう、というのが今回のお話の発端です。
灰音 >>突然の監禁<<
河合 監禁!?
横井 凪が目覚めた時、同じ部屋に五十代くらいの男が一緒に閉じ込められていたんです。 男は自分のことを小説家だと名乗ったけど、ちょっと様子が変だった。そこから凪と見知らぬおっさんの奇妙な監禁生活が始まる。という感じのあらすじです!
灰音 えっ、BL?(伏字にもしない)
河合 もうこれだけでめちゃくちゃ気になる…。
横井 そうだとは明言ないですが、どっちかというと執着かな?という感じです。凪くんが視点人物で、全体的にヒリヒリしてチクチクする手触りの話なのですが、すごいロックなんですよね。めっちゃ良い終わり方だったと思います。
灰音 小説家が悪さしてるやつ…?
横井 悪さといったら悪さなのかもしれません。小説家のおっさんは凪くん曰く「狂ってる」らしいです。
灰音 ヒエッ。
河合 どんな生活してるのかすごい聞きたいんですけどネタバレになっちゃいます?
横井 監禁生活自体は穏やかなもので、外に出ようとさえしなければ自由なものなんですよね。その時点で自由と言っていいかどうかは別として。部屋の中で自由に過ごせるけど外には行けない。男は犯人がたまに帰ってくることと、部屋を出ようとしなければ危害を加えないことを凪くんに伝えます。
灰音 犯人はまた別にいるんだなぁ。
河合 おっさんはなぜ連れてこられたのかが非常に気になるところですね。
横井 この辺の真相はネタバレになると思うのでぜひ読んで確かめて頂ければというところです!
河合 くっ気になるので読みます!
横井 個人的に、主人公の凪くんが好きなんですよね。優等生なんですが、凪くんは優等生なんて空っぽだ、虚しいもんだって思ってるんです。今まで型に嵌まった良い子の回答が是とされて、それ以外のものは切り捨てられてきてしまったので。
灰音 なるほどね。
横井 人生における一番面倒くさくない最適解を選んでいったらこうなっちゃった的な。自分の考えなんてそんなもん一辺の価値もなくて、だからそんな社会を作って支配してくる大人はクソだと思ってるし見下してる。
灰音 皆捻くれすぎでは?
横井 青春ってそういうものだと個人的に思ってますね……青少年よ存分にひねくれてくれ……。
河合 そんな凪くんが監禁されたことでどうなっちゃうのか…。
灰音 オッサンと会って何か変わるんでしょうね。
横井 好きなシーンというか、彼の行動で好きなところなんですが、冒頭で彼は国語のとある設問にひっかかるものを感じるんです。皆の前ではいつものように優等生回答をしていたのですが、課題として作者に感想文を送ることになり、内容はチェックされないというものだから、つい魔が差して「自分の回答」を書いてしまった。
灰音 あーーーそれ気になるやつ。
横井 エピローグも好きなんですがここがあってこそ全体が光るものだと思っているので好きなんです。
河合 うわーー気になる!ちゃんと帰れるのか?おっさんとは?犯人は?と気になるポイントてんこもりです…。
横井 監禁生活なんですが、命の危険を危惧しつついたって穏やかに過ごしているように見えました。ごはん作ったりして過ごしつつ、男は部屋でずっと書き物をしている。小説家だから原稿だけは書かなくちゃねと言いつつ、荒んだ日常を続けている。
灰音 同棲じゃないですか()
河合 なんていうか非日常なのにいわゆる平和な日常っぽい感じがちぐはぐでいいですね。
横井 そうなんです、もの凄くちぐはぐ……そして小説家の男は書き物をしつつ結構情緒不安定で、そこの薄暗い感じと暗すぎない感じの塩梅が絶妙だなと思っているところでもあります。
灰音 イイネしました。
横井 この男の台詞で結構好きな台詞がありまして、「……僕は待っていた。僕の靄(もや)を集めて水にする人を待っていた」
灰音 読みます。
河合 うわっこの言い回し好き…。
横井 この台詞がどんな状況で出てきたのかは是非読んでいただければと思うのですが、作家の男がこれを言うんですよね……何とも言えない感情を噛みしめて頂ければと思います……。
河合 靄から水ってすごい量ですよね、この質量変化が非常に気になるので読みます。
横井 この辺までが多分お伝え出来る限界だと思うので以上になりますが、多分面白さの10分の1もお伝え出来てない気がするので是非よんでください……負けました……。
灰音 ヨミマス……ヨミマス……。
ついの一日 黒間よん
浅井 黒間よんさんの「ついの一日」です。この作品、まず読み始めて目をひん剥いてしまいそうなんですが、女性用ランジェリー愛好家の紳士や、棘の生えた虫の足が飛び出したティーカップやらが出てきます。江戸川乱歩もビックリのグロテスクな描写です。
横井 黒間さんのそういう描写、わたし好きです。
浅井 実はこれは、ミステリー作家の米内初瀬が書いた小説なんですが、このとんでもない作品には助手の青年である相田賢一も思わず絶句します。
横井 ドン引きってやつですね。
浅井 ともあれ、原稿を書き上げた米内と賢一は二人でドライブに出かけます。その先で遊園地に辿り着くのですが、そこは米内にとって何やら因縁のある場所だったようで…そこで、賢一は尊敬する先生である米内の過去を垣間見ることになります。というのがあらすじでしょうか。
横井 続きがすごい気になりますね……遊園地が因縁の場所……。
灰音 普通に気になる。
横井 廃虚とかじゃなくて、普通の遊園地なんですよね……。
浅井 さびれた遊園地なんです。
横井 寂れた遊園地!いいですね……人手が足りてなくて錆びたままのマスコットキャラクターの看板とかがあるんだろうな……。
浅井 シンプルに好きなとこなんですが、米内初瀬先生は冴えない中年男性なんですが、冴えない中年男性と青年が二人でさびれた遊園地ってめちゃくちゃロマンを感じてしまいます。
灰音 二人で観覧車乗るの?
浅井 観覧車にはとりあえず乗ってないんですが。遊園地は因縁の場所、という描かれ方なんですが、個人的には、家族の団欒の場所っていうイメージの「遊園地」を舞台にするところに意味を感じています。というのも、米内先生は娘さんがいるんですが奥さんと離婚していて一人暮らしをしているんですね。
灰音 めっちゃ複雑ですやん。青年とイチャコラしてる場合ではないのでは?
浅井 そんな先生が過去を語る場所が、遊園地…!!
横井 なるほど、楽しい時間、子どもだった大人にしたらもう戻れない場所だし、子どもにしたらこれから二度と訪れることのない未来への中間地点……。
浅井 思わず遊園地にフォーカスしちゃってるんですが、この作品の魅力はそこだけではないのです。
灰音 ほう。
浅井 名作家とよばれる米内先生の印象的なセリフで、「僕は悪魔に魂を売った」というものがあるんですね。この台詞だけでも、テーマ「文豪」にとてもふさわしい作品だと思いました。作品を書く、生み出すことに代償を払っているような。何をもってして「悪魔に魂を売った」と言うのかは、読んでからのお楽しみということで…!! 文章表現もとても素敵なんです。先生と助手の、気が置けなくも「知らない」という距離感のある会話とか。言葉のセンスが眩しい。表現が的確で美しい。
横井 浅井先輩がそれを感じた部分の引用とかあれば是非知りたいです……!
浅井 「二枚貝のように倖せ」というフレーズですね。
灰音 いいですね。
横井 ぴったり重なる片割れがいる的なそれだろうか自分を理解してくれる何かがあるみたいなそれなんだろうか居場所がある的な言い回しなんだろうか刺さるなァ……のヒェです。
浅井 調べてみたら、「アズ・ハッピー・アズ・ア・クラム」という英語のフレーズが元にあるみたいなんですが。
横井 あさりのようにしあわせ。
浅井 それを「二枚貝のように倖せ」と表記することと、この文脈に痺れました。
灰音 あさりのように・・・しみじみ。
浅井 しじみに見えた。
灰音 しじみとかけてます。
猫の手も借りたい 暁 壊
河合 では、暁壊さんの「猫の手も借りたい」です。キャッチフレーズは「吾輩は猫である、名前もある、なんなら寝床もあるし仕事もある」と言ったところでしょうか。
横井 ひょっとして私より持っているなこの猫……!
灰音 公園の鳩のほうが良いモン食ってる理論。
河合 この作品、タイトルにもありますが主人公は猫です。が、この猫とにかくいい暮らしをしていまして…。聞いて驚くなかれ、餌がウイスキー入りミルク。
横井 ブルジョワジ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
灰音 猫じゃないじゃん。
横井 高等遊民ですね!!!!
河合 そう、正確には猫と言っても「前世が人間だった猫」なんです。
灰音 へー、でも猫なんだ。
横井 生まれ変わったら猫になりたいとは良く聞く言説ですが割と本気で羨ましいです。
河合 この猫作家、それも前世はどうやら近しい時代の詩人作家だったようで、野良猫として生きていたところ保健所に連れていかれそうになったのを編集者の若い女性に拾われます。で、彼女の部屋にあったタイプライターがなんと自分が前世で使っていたものだったことから自分の前世を思い出すのですが、なんとこのタイプライターを使って作品を書くようになります。
横井 この猫!シェイクスピアが書けるぞ!!というのは置いておいてそれは彼(?)にとっても僥倖じゃないですか……。
灰音 猫すげぇ。
河合 そうなんですよね、猫作家は自分が死んだ後の自分の作品の評価を知ったり、猫の身で飼い主の女の子の雑誌に載せた作品が前世の自分の作品みたいだ!って言われるんです。
灰音 死んだ後の評価知れるの良いなぁ。
横井 飼い主さんは猫が原稿書いているのを知っているんですか?
河合 はい、飼い主さんはめちゃくちゃのん兵衛で、酔ってたところに猫作家を拾って、タイプライターを猫足でたたく現場を見るんですが、めっちゃ大笑いしていいじゃん!って感じの反応をしてくれます。で、朝起きたら夢じゃなくてちゃんと作品が出来てるので、猫に「これ載せていい?」って聞いてちゃんと名前も聞いてくれるんです。リサという子なんですが非常に明るく快活で、猫作家ことハンクをきちんと作家として扱ってくれるいいお姉ちゃんです。
横井 すごい、めちゃめちゃ順応している。
灰音 えーつよい。いい子やんね。
横井 それはミルクにウィスキー入れてお供えしますね……。
河合 で、そんなこんなで彼女と一匹の生活が始まるんですが、彼女を取り巻く男たちがちょっと癖のあるやつらで…、喜劇と思いきやちょっとギョッとするシーンもあるのが暁先輩らしい作品となっております。
横井 暁作品のキャラ、癖が強くて個人的には大好きなんですよね……。
河合 そして「ハンク」が一体だれなのかは最後にわかります。もし知っている方は結構作中にヒントがちりばめられているのでわかると思います。私は知らなかったので読み終わったあとに調べました。
横井 猫のモデルは実在の作家なんですか!
河合 そうなんです!実在の作家です!
灰音 (おお、文豪テーマっぽい)
横井 それは知っている人はニコニコしちゃいますね……。
河合 いやあ是非これも皆さんに読んでほしいです。さっき触れた所でもあるんですが、好きな所は以下の一文です。 「私は憑かれたように前足を伸ばすと、爪の先でキーを叩い た。最初は恐る恐る、段々と大胆になる。」 猫の身でありながら「書く」ことを辞められない作家の性分が出てるシーンです。
横井 ああ、もう手じゃないんですね……そこはもう猫の体が自分のものだって納得してしまっているんだな……いいですね……。
河合 そうなんです、前足なんですよね…その前足から紡がれる作品、ちゃんとこれも世間に評価されていくのですがラストの畳み方がさすがの一言でした。是非読んでくださいね!
灰音 暁さんのはいつも面白いですからねー今回はどんななのかは楽しみです!
横井 読みます!
マージナル 浅井
灰音 浅井さんの「マージナル」です。とりあえず私は「マージナル」の意味がわからなかったので検索したんですが、 マージナルの用語解説 - [形動]周辺にあるさま。境界にあるさま。また、限界であるさま。 ということだそうです。
横井 なんかの用語でマージナルマンとかありましたよね。
灰音 で、こちらの作品。舞台は日本で、主人公は若手の編集です。
河合 お、編集さんなんですね。
灰音 そして、この作品。一言で言うとですね(話前後しすぎ)、「天才と凡人の苦悩」。これにつきます。
河合 あーーーもうこれは心理描写が楽しみなやつ!!
横井 情緒揺さぶられる感じの関係性ですね……すきです……。
灰音 この作品のメインキャラは4名おります。1人は、主人公の若手の編集。2人目は、主人公の先輩編集。3人目は、主人公が大ファンの小説家です。4人目については後々ご説明しますが、この作品は、主人公が大ファンである小説家の担当になることからはじまるわけです。明日死ぬのかな? な喜びですよね。しかし、この小説家も何かを抱えているわけです
横井 青天の霹靂!
河合 喜びでどうにかなっちゃうやつですねって思ったら!
灰音 それこそ自己評価が低いし、静かだし真面目だし、淡々としているし。しかもその小説家の先生、超人気なのに自己評価が低い。自己評価が低いってよりかは、どうでも良い(良い意味で)な感じがします。まぁ掴みどころがない?人なんですよね。偏屈というわけでもないし、凪みたいな。
横井 飄々としている……?
灰音 うーん、それとも違うんですよ。何か、無色?
横井 煙のような、という感じでしょうか……。
灰音 そんな感じですかね。それで、主人公は「何でなんだー!」って憤ったりするわけですね。ガチのファンがキラキラした人を間近にすると、何かこう感じ方も変わるというか。
河合 ああ…こんなに素晴らしい人なのにどうしてって奴ですね…。
灰音 それについて相談する相手が、編集の先輩なわけです。で、皆さんお気づきでしょうか、この作品の冒頭を。
横井 はい……。
灰音 「筆を折ろうと思います。と云っても、実際には私は筆を使っているわけではありませんから、正確には「ペンを折る」と言うべきなのでしょうか。最近使っている万年筆は、貰い物で、とても値の張る品らしく、大変書き心地が良い。」 …というところで、4人目の登場人物についてご説明します!4人目は、主人公である若手の編集が恋焦がれる小説家そのものです。気になった方は作品を読みましょう
横井 3人目の作家さんとはまた別の人……?ですか……?
灰音 物質的には別ですね。でも概念としては同じです。
河合 なん…!?
灰音 小説家と小説が違うようなもんです。
横井 物質的(意味深
灰音 というよりも、世界線が違うというか。3人目は人間で、4人目は小説家というものです。
河合 ああ、もしかして…!?
横井 そういう……!
灰音 小説家「滝沢功一」が4人目ですね。気になったら是非読んでください。
河合 なんとなくわかりましたが、この理解があっているか読んで確かめたい…。
横井 読むしかないですね。
河合 浅井さんの淡々としながらヒリヒリした雰囲気の話がすごく好きなので、これも非常に気になります。
横井 冒頭からして「こころ」のオマージュをひしひし感じててドキッとします……。
灰音 はい、そしてですね。私が好きな箇所は以下の部分です。 「滝沢功一の担当をやらんか」 「担当とは」 「原稿の締め切りを設定して、原稿を書かせて、それを貰ってくる編集者の仕事だ」 「そんなことはわかっているのです」 こちら、主人公が先輩の編集から大ファンの小説家の担当をやらねぇかと言われたシーンです。ここの部分がですねぇ、もう浅井さんの文章というか、そういうのを表現してると思うんですよね。ストーリーというより文章が好きな部分です。あと、主人公の溢れるファン感というか「違う、そうじゃねぇんだよ!」感が凄い好きです。
横井 やりとりがめちゃくちゃ軽快というか、打ったら響く系の気持ちの良さですね……!
灰音 こういうやりとりも味があって良いですよね。ストーリーやキャラクターの魅力は話せたと思うので…こういう部分も良いよ、というところで書かせてもらいました。というわけで、最後に言いたいのはこの作品は「天才と凡人の苦悩」を書いたものだということです。
横井 小気味が良いやりとりもありつつ、でもテーマは重厚なやつですね……多分私大好きなやつです。
灰音 こちら、頭に入れて読んでいただくと余計に色々考えられて面白いと思います!チェケラ!天才は天才で悩むし、凡人は凡人で悩むというやつですね。
河合 天才と凡人、それぞれの悩みがどう描かれているのか、読むのが非常に楽しみです。
横井 価値観がわかりあえない故の葛藤とかすれ違いもきっとあるんだろうなあ……どんな答えを導き出すのか、それとも出さないのか、それも含めてとても気になりますね……
灰音 あーそれは是非最後まで読んでください。今回の特集が文豪だからか、本当に人間関係が繊細に書かれている作品が多いなぁという印象がありますね(謎の総括
気になるあの娘 みけのたまこ
河合 では、まずみけのたまこさんの「気になるあの娘」紹介していきます。
灰音 既に気になる。
横井 わーーーーー!(拍手
河合 この作品、一言でいえば「運命」ってなんだ?って話なんですが、これだけでは全然この話の魅力を伝えられないという。
浅井 運命って何なんですかね…。
灰音 運命ってなんだ?
河合 タイトルのキャッチ—さと冒頭の「運命」に関する描写にまずギャップがあるんですが、タイトルだけでこの作品を読もうとすると良い意味で痛い目に遭います。じゃあどんな話だ?っていうと、とある男子高生がなんとなく日常を過ごす中、彼には気になる女の子がいるんですがひょんなことから彼女との交流が始まるんです。それが非常に甘酸っぱいのですが、最初のやりとりはちょっと言えないのですが二人の交流は付箋とか使って直接しゃべらずにやり取りするわけです。
横井 めちゃくちゃ好きです……かわいい……。
灰音 かわいい。(同じ学校なのかな)
河合 ですです!同じ学校の同じ学年の子です。でもって、そんな甘酸っぱいやりとりを続けながら距離を縮めていくんですが、この合間に主人公は夢を見ます。その夢の内容が最初は本当に夢っぽい漠然としたでもリアルな夢だなあと思っていたら、話を追うごとに彼の過去にあったことだとわかるんです。
灰音 ひえっ。
横井 暴れてしまう過去。
河合 ネタバレになるんで一切夢の内容は話せないんですが、読み進めるとものすごい勢いで話に引き込まれていきます。
灰音 先生、その夢には気になるあの娘が関わってるんですか?
河合 はい、めちゃくちゃ関係します。
灰音 えっ、ホラー?
河合 ホラーではないんですよこれが。
横井 今度は落とさないでね系かと思って勝手に震えてました。
灰音 でも運命なんですよね…?
河合 主人公の過去と現在の情報が少しずつ混ざっている所があるので、読んでいるこちらが「あれ?これどういうことだ?」って考え込んでしまうんですが、ラストには彼が自分の「運命」と決着をつけることになります。決着というよりは折り合いをつけると言った方が正しいのかもしれないんですが、非常に魅力を伝えるのが難しい、それほど読み応えがあります。
浅井 なるほど、なんだか2周目が読みたくなりそうな予感…!
横井 彼の過去、気になるあの娘、運命とは、運命とは——!
灰音 実は気になるあの娘は母だったとか?!(超理論)
河合 母ではないです、ご安心を!笑
灰音 ラブコメかと思ったら違うんですね…。
河合 私これ10回くらい読み返しました。
灰音 もうファンじゃん、それ。
河合 もうめっちゃファンですね、今魅力を伝えきれてないのが悔しいくらいなんで…。21pあるんですよ、でも決して読みづらさはなく、むしろ読みやすい文体。
浅井 高校生って年代ならではの関係性とか感情とか、そういうのも気になりますし、それでいてただの青春小説じゃなさそうなところも気になる…!!
河合 ネタバレにならない所で好きな一文はここなんですが、 「この世には、俺と彼女の、たった二人の意識しかないの だと、思った。」
灰音 えええええええええええええ解釈?!
横井 セカイ系みたいなそれなんですかまさかまさか。
灰音 座談会やってる場合じゃねぇ!オレは読むぞ!
河合 私こういう、世界に二人きりのようだ的な書き方がすごい好きなんですよね。
横井 いやでもなんか一人称っぽいので彼の中ではそういう認識なんでしょうね!いいなあそういう10代っぽい感じ最高です……。
浅井 ああーそのある意味で閉じた世界……惹かれちゃいますよね………。
河合 現実です、もうこれあれだな私が言うより読んでほしい(本末転倒)
横井 そこにどう決着つけるのか、という感じですね……いいなあ気になる……。
河合 色んな作品をほしのたねで読んできましたが、この作品は特に「みんなに読んでほしい」と強く思った作品ですね。個人的に非常に今後も作品を読みたい方です。
横井 好きな部分のご紹介で私もグッときました。何となく運命というか甘酸っぱい感じじゃなくて宿命っぽさも感じてて勝手にワクワクしてます。
Hello, hello, halo. 錦織
横井 錦織さんの「Hello, hello, halo.」です!
浅井 いつもヤクザものを書いてらっしゃる錦織さん。
横井 今回SFチックな作品です。あらすじなんですが、二人の男が他愛もない話をしながらバーで飲んでいるんです。すると、突然店外から不気味なサイレンが響き渡る。店主が急いでラジオをつけると、酷いノイズのあとに無機質な女の声が淡々と流れるんです。「ルビー、レッド。ルビー、レッド。ルビー、レッド」って。
灰音 独特な感じですね。
浅井 なんとなくアングラな雰囲気をすでに感じ取っています。
横井 ラジオを聴いた男二人は、店を変えてまた酒を飲みはじめるんです。すると、今度は店の前で騒いでいた老人が自分の持っていた酒を呷って二人の前で死んでしまう。
灰音 >> 唐突な死 <<
横井 二人の男はそれをよくあることだと無感動に片付けて、店に引っ込んで飲み直しはじめるんです。ここで一連のお話はお終いなのですが、このあと遠く離れたとある場所にカメラが移るんです。
浅井 (よくあることなんだ…)
横井 そこではある女性が月を眺めているんです。その体にたくさんのチューブが繋がれていて、無理矢理延命させられている。実は彼女はラジオの声の女性で、彼女の存在がなくなれば世界の存続が危うい。今日もサイレンが鳴り響いて、彼女の言葉が世界に告げられる。「サファイア、ブルー。サファイア、ブルー。サファイア、ブルー」といった具合です。今核心部分を避けて踏み抜いていった感があるのですが、何故?という疑問はすべて最後に解決されます。2度目によんで「うわーー!そういうことだったのか!!」となること請け合いです。読んでて楽しかった……。
浅井 まずこの世界観がとても好きな気配を感じている。
横井 私もこの世界観大好きです……とても退廃的で……。
浅井 無理やり延命させられてる女性に世界の全てが背負わされているって、めちゃくちゃ退廃的で閉塞的な魅力を感じる。
灰音 SFな感じは良くわかりませんが、結構難しい世界設定って感じなんですかね?
横井 作中の情報から断片的に想像することはできますが、明確に記載はされてない感じですね。めっちゃディストピアものなんですよね。
灰音 じゃあバーで酒を飲む二人ってのも僕等の思う普通の仕事帰りにウェーイって感じじゃないんでしょうね。
浅井 なんとなくそんな気はしてたんですが、ディストピアものときいて俄然ワクワクして参りました。
灰音 別世界? の話? 横井さんの好きなシーンは?
横井 好きなシーン……記述になってしまうのですが、「23:15 amber moon」で始まったりしてて。お酒の名前が出てくるのも雰囲気を盛り上げるのに一役買ってるんですが、物語的にかなり大事な役割も担ってたりします。
灰音 きになる。
浅井 カッコイイ。
灰音 宝石の名前がちょこちょこ出て来るのも気になりますね
横井 すごい勝手なイメージですが禁酒時代アメリカ+近未来みたいなワクワク感あると思います。日本らしき文化に触れるところがあるので、恐らく西の英語圏のどこかじゃないでしょうか……。
浅井 なんだか謎めいたルビー、レッドとかサファイア、ブルー、も読んでいくうちに意味がわかっていくと?
横井 ですです 宝石も読んでいくうちにうわーー!!ってなります。
あと、月もかなり重要なワードになってくるんですが、生き物を狂わせると言われているそれがよく表わされている。世界をひとりで背負わされた彼女、作中で「アルテミス」と呼ばれているんですが、彼女のお告げによって社会が成り立ってる。そしてそれは彼女にしか出来ないことで、もし彼女が「うっかり」お告げの内容を誤ったら? とか考えるとワクワクしちゃいますね。作中に喋れないような描写があったのでもしかしたら偽りようもないのかもしれませんが……。
浅井 錦織さんはヤクザものといいハードボイルドな作品が得意な印象ですけど、今回のもハードボイルドな感じ?
横井 ハードボイルドな感じは健在です!酒を呷って死んだ老人がまさに!って感じなので是非錦織節を堪能していただければ……!
灰音 さくっと死ぬイメージしかないけど、世界観は凄い気になりますねー。
ユメみる海馬 横井けい
灰音 では、横井けいさん「ユメみる海馬」を紹介していきます。
浅井 わーい!!海馬ってやっぱり、記憶とかに関わる脳の方の海馬でしょうか…ロマンあふれるタイトルなのでめちゃくちゃ気になってた作品です!
灰音 この作品を一言で言うのなら「ミステリアス×ギャラクシー×キュート×ポップ×青春」です。ストーリーとしては、青春小説ですね。ガールミーツガールです。
浅井 てんこもり。
河合 凄いジャンルモリモリですね!
灰音 キュートでポップなんだけど、ミステリアスです。
河合 これはもうあらすじを聞かねばならんやつですね…。
灰音 ちょっと変わった私の学校の天文部~ガールミーツガール~。天文部の女子高生2人がメインです。青春小説なので、学園モノなんですが、その学園がちょっと変わってます。
浅井 もうここからすでにキュートアンドポップ…!!
灰音 えーとね、説明が難しいんですが、早弁とかしたら、普通に怒られると思うんですが、その怒り方とかも独特なので、まぁそこは読んでください。大事なのは、天文部の女子高生2名です。ゆる~い学園生活の中で、主人公はとある女の子と出会います。で、一緒に天文部に入るわけです。そこからというか、ここからが面白いというか、彼女は、星を食べるんです。
浅井 ガールミーツガール!すこしふしぎのSFだ…ワクワクしますね。
灰音 星に味があると聞いた主人公は興味を惹かれ、彼女と一緒に星を食べにいきます。レッツギャラクシー!とにかく文体がポップなのに、ちょっと不思議な感じで、とても可愛い作品です。個人的に、星を食べるところの描写がとても良いので、是非読んでみてほしいです。あと、ストーリーでいうと、主人公は彼女の奇妙な魅力に惹かれて、本当に星を食べる彼女を見て、疎遠になるのか、それとも…という。
河合 星に味がある、っていうのいいですね…灰音先輩がおっしゃるように星を食べる表現っていうのがどうなってるのかが気になります~!
浅井 横井さんのしっかりしながらも軽妙な文体だからこそ映えそうなお話ですね…!!あと女子高生のそういう関係性がめちゃくちゃ好きです。
灰音 いやー凄いわくわくしましたよ。ギャラクシーな感じ。ちょっと不思議なんですけど、描写は結構現実的なんですよ。「あの星食べるとおなか壊すよ」みたいな感じとか。
浅井 ぎゃー!大好きです!
河合 今回私が書いた文豪飯のレポにも横井さんが参加してくださってまして、非常に面白いレポを書いてくださったんで彼女の作品における「味の表現」がすごく楽しみですね。
灰音 ただ、ストーリーの肝というか、読んでいて私がかんじたのは「宇宙人と遭遇したら、一般人の私はどうするんだろう?」という。あーそういうの得意なのかな?というところで、私が一番好きな箇所は、下記の部分です。
「私にとっては「普通じゃない」ことも、きっと彼女にとっては「普通」のことなんだ。だったら、「普通」に嫌気が差してしまった彼女はきっと、コンクリの向こう側に行ってしまう。」ガールミーツガールです。
浅井 コンクリの向こう側…。
河合 分厚いですね…。
灰音 物理的に?!
浅井 「普通」と「普通じゃない」って、なんだかんだで、本当に現実的で普遍的なテーマが落とし込まれてるんですね。それでいてポップでキュートですこしふしぎって、ものすごく気になります。読みたい。
灰音 そう、結構テーマは重いんですが、ポップでキュートなんですよね。皆さんも星を食べるときは気をつけてください。
浅井 そもそも星を食べるっていう発想と展開がもう最高なんですよね!!もう…星食べよ…。
河合 今号の作品を見ていて全体的に関係性にぐっとくるものが多いなと思ったのですが、ほしのたね全体的に人物間の関係性を非常に繊細に絶妙に書ける方がたくさんいて魅力的ですね。私も星を食べる時は気を付けます。
浅井 気をつけます。
チョコミント・ブルー 新名ちか
浅井 では最後、新名ちかさんの「チョコミント・ブルー」をご紹介していきたいと思います!
河合 はい!
浅井 こちらの作品、どんなお話かというと、大切な思い出との再会、といったところでしょうか。
横井 おおおお……何だか切なそうな雰囲気でしょうか。
浅井 それでいてとてもさわやかな読み応えの作品でした!
河合 さわやか!
横井 切ないけど爽やか!
浅井 大学進学で上京したばかりの明葉という女の子が主人公です。彼女には夢があって、そのために実家から遠く離れた関東の大学へ入ったんですが、実家の母が風邪をこじらせて入院していたという話を聞いたり、思い描いていた大学生活とのギャップがあったり、悩みを感じていました。そんな中、雨に打たれながら訪れた公園で小さなトンネルを見つけた明葉は、くぐり抜けた先で不思議な男の子に出会う――といったお話です。
横井 おおおおこれもまたすこし不思議なお話でしょうか。いいですね私大好きです。
河合 おお、導入はすごいリアリティあふれる背景からすこし不思議に!よく絵本とかでトンネルくぐったら…っていうお話を読んでワクワクしたのを思い出しちゃいますねえ。
横井 わかります……その男の子もいったいどっちの人なんだ!?みたいな。
浅井 そしてこういうことを感じるのはわたしだけじゃないと思うんですけど、大学って、決して勉強に一生懸命ってひとばかりじゃないじゃないですか。学びたい!そのために上京した!っていう熱量と、周囲とのギャップに戸惑ったり、そういう等身大の18歳くらいの女の子なんですね。
横井 あああ……いいですね……悪いことでも何でもないんですけどね、環境に追いつめられちゃうこともあるよね……。
河合 そうそう、上京してる子だとなおさらじゃないですかね?地元から出てきた先で閉塞感を感じちゃうのって結構堪えるというか…。
浅井 そうなんですよね。そのへんがとてもリアルだなって感じました。そういう、なんていうんでしょう、切羽詰まったような心情がありますよね、それがとても繊細に描かれてるんです。繊細で丁寧な描写だからこそ、めちゃくちゃ刺さります。
横井 八方塞がり感というか、こんなはずじゃなかったのにというか……ああ……。
河合 こういう感性ってその時にしか書けないものだと私は思ってて、私が今そういう感情を書いても多分古いものだからどこか浮いたものになりそうなんですが、この作品はそういった新鮮さを感じれそうですごく読みたいですね。
浅井 本当に河合さんのおっしゃる通りなんですよーー!!わたしは新名さんのことを直接は存じ上げないのであまりこういうことを言うのもって感じするんですが、まさにこの作品は、「今この時にしか書けないもの」なんじゃないかな…と感じました。新鮮さ、まさにそれで、この作品の突出してるのが心情描写だと思いまして、繊細で丁寧、それでいてちょっと生々しいんです。鮮やかで、生きてる人間の生々しさがある。生々しいっていうか、作品のさわやかさを考えれば瑞々しいって言うべきなのかな…。
横井 血肉がある感じというやつですね……。
河合 非常に気になりますね、心理描写がこまやかな作品…。
横井 すごい、ここまでの情報だけで湿度の高い細い雨の日の情景が浮かんできました……風がちょっと冷たくてたまに吹いてくる……。
浅井 家族のこと、大学のこと、自分のこと、自分を取り巻く環境のすべてを、明葉ちゃんがとても繊細に感じ取ってるんですね。
河合 うわ~~そういうの凄い好き!!!
浅井 とここまで描写のよさをつらつら語ってきたんですが、それだけではないのです! 個人的に大好きなところがあって、ちょっとしたかわいらしさと、最初に言ったさわやかさなのですが!
河合 ほう!
浅井 明葉ちゃんがチョコミントアイスが好きで、それを男の子と一緒に作る場面があって。男の子に甘いチョコが好き?ってきかれるんですけど、「うん、カカオが極限まで感じられないチョコがいい」って答えるんです。それを聞いた男の子が冷蔵庫からチョコを取り出すんですけど、それには「一番甘い、と何とも雑なラベルがつけられている。」っていうんですね。わたしこのやりとりと表現にどひゃーってなってしまい……!これはもうめちゃくちゃ好みの部分なんですが!笑
河合 いや~いいな…初々しいというか可愛らしさとさわやかさ…。
横井 このラベルは彼女の作ったラベルですか?
浅井 いえ、男の子が自分で作ったんだろうなっていう、そのざっくばらんな感じがいかにもファンタジーでわたしは…大好きだって思………。
河合 可愛いかよ…。
横井 ふふふふ……にこにこしますね……。あと「この描写いい!」と思った箇所もぜひご紹介いただきたいです……!
浅井 好きな描写ってところでは、さっき言った繊細な描写の他には、このあたりはネタバレになりそうなので細かくは言えないのですが、明葉ちゃんがチョコミントアイスを好きになった経緯を思い起こすところがあって、そのあたりもまた切々としたリアリティがあってめちゃくちゃ!良いのです!ここには詳しく書けないので読むしかない!
横井 読むしかない!読みます!
河合 読むしかないな!
横井 これで全作品終了です!
河合 お疲れ様でした…!
浅井 お疲れ様でした!
横井 思わず熱くなってしまいました…! それだけ熱量の高い作品が揃っていたということですね。
河合 コンテンツとして作品を語るのって難しいな~~!!と感じました(笑)
浅井 外部のひとに面白さが伝わるようにって難しい…
灰音 ネタバレしないレベルで魅力を語るのって難しいなぁと思いました。今度はネタバレありでやりましょう! あと普通に打ち上げしましょう!
横井 はい! おつきあいくださった皆様、ありがとうございました! 読み応えと満足度は間違いないので、エア文フリ特別価格のときが!!お買い得ですよ!!!